「stay home」も今や過去の言葉のようになりつつありますが、昨年からおうち時間を楽しむ動きが加速的に進みました。人間、寝ている時間が最も多いのですが、起きている時間は自宅にしてもオフィスにしてもインテリアに囲まれている時間は多いものです。そこで多くの時間を過ごす「インテリア」を現役インテリアショップ店長兼バイヤーの私が改めて見つめ直したいと思います。
インテリアって何?
そもそもインテリアって何でしょうか。
インテリアはそもそも英語の「interior」で「内面」という意味です。転じて日本では、室内空間を彩る室内装飾品を意味するようになりました。カーペットや壁紙、カーテンやキッチンの設備機器、ソファや家具など室内を装飾するものはすべてインテリアにあたります。また、最近では家電や植物などもインテリアに含まれるようになってきました。
どんなインテリアがあるのか
インテリアを構成するカーペットや壁紙、カーテンやキッチンの設備機器、ソファや家具などの単体を組み合わせて、心地よい空間を創り出すことをインテリアをコーディネートすると言います。そのコーディネートには様々なスタイルがあります。
テイスト・・・ナチュラル、モダン、カジュアル、インダストリアル、ブルックリン、クール、アーバン、ポップ、エレガンス、シャビー、シック、サーフ、リゾート、カフェ、男前、姫系
時代・・・クラシック、レトロ、ビンテージ、ミッドセンチュリー
地域・・・和風、アジアン、フレンチ、アメリカン、イングリッシュ、北欧
実際にはもっとたくさんのコーディネートがありますが、すでに何のことかよくわからなくなっているのでこの辺でやめておきます。要するにたくさんのコーディネートがあるということです。そしてこれらのコーディネートもそれら単独で成り立つ場合もありますし、他のコーディネートと混じりながら空間を構成することも多いです。ナチュラル+クラシック=ナチュラルクラシックのように。
最終的には自分が好きかどうかでいいんです。一番強いコーディネートは「自分流」です(笑)
流行のインテリアコーディネートは
■男前
ブルックリンの街並みを思わせる「ブルックリンスタイル」やスチールや金属の武骨な印象で工業的な「インダストリアル」、カリフォルニアのリゾート感がある「サーフ」などがあります。これらのスタイルは、ビンテージ感やレトロ感のある使い込んだような素材が選ばれるのが特徴です。工業系のデザインが強いので、建築の要素やスチールなどの金属感、色で言えば黒のような表情が多くみられます。

ブルックリンとあるようにアメリカの雰囲気を強く出していますので、ミッドセンチュリーやアメリカンな家具との相性は抜群です。特にミッドセンチュリーと呼ばれるアメリカで1940年から60年代にかけて起こったムーブメントでデザインされた家具たちは今でも色褪せていません。有名なのはチャールズ&レイ・イームズ、イサムノグチ、ジョージ・ネルソンといったデザイナー達です。
■北欧
白を基調としたナチュラルな雰囲気と木を中心とした北欧デザインの家具が特徴です。日の短い地域ですから、明るいインテリアが必要なのでしょうね。北欧デザインの家具は、シンプルで実用的なのが魅力です。木の良さを活かしているので日本人にもなじみやすいです。

北欧にはアルネ・ヤコブセンやハンス・J・ウェグナーなどの有名デザイナーが多く、デザイナー家具が一つの特徴でもあります。
デザイン照明を取り入れると、一層北欧感が引き立ちます。
いま、おすすめするコーディネートは
現役インテリアショップ店長兼バイヤーの私がお勧めするのは、ずばり男前&北欧ミックスです。どちらも特徴があるのですが、ふたつとも相性がいいので混ぜてコーディネートしましょう。
なぜ、お勧めするのかというと、個人的に好き(笑)ということに加え、男前のベースカラーである黒と北欧のベースカラーである白は、組み合わせ次第でいろんなバランスを楽しめるからです。
男前は黒が強すぎる場合もあるので、そんな場合は白を混ぜて北欧寄りに。逆に北欧では白すぎて優しすぎる場合は黒を混ぜて男前寄りに。そして、そこにインダストリアルやミッドセンチュリーなどのテイストの家具を混ぜていくとより自分流に仕上がっていきます。
また、小物は流行りものもいいのですが、椅子やテーブルのような大物で普遍的なデザインを混ぜていくと、それがインテリアの核となり、インテリアに重厚感や厚みがでます。
おすすめコーディネートにあう家具や雑貨たち
そんな 男前&北欧ミックス が好きなので、私自らそれらを扱うインテリアショップをやっているわけです。
私のインテリアショップではすべてのインテリア用品や家具を扱っているわけではありませんので、当店以外で私が選んだお勧めインテリアショップもご紹介します。
家具だけでなく雑貨も含めてインテリアですので、サイトを眺めてみて雰囲気を見ながら小物から始めてみるのもありです。
おすすめできないインテリアショップもある
今はリアル店舗でもネットショップでも様々なテイストの家具やインテリア用品が購入できます。しかし、私の体験談も含め、あとあと後悔することがあります。それは特に家具ですが、値段で選んだ結果「すぐ壊れる」ということです。安いにこしたことはありませんが、品質と見合っているかバランスを見た方がいいということです。
有名なリアル店舗のインテリアショップで購入した、ダイニング用のチェアは3年でウレタンが割れてしまい、座り心地はいまいちに。ロフトスペース用に購入した4灯のスポットライトもLEDなのに3年でつかなくなりました。
洋服のように買い替えていくものはファストファッションのように安くて流行りのものを購入してもいいですが、家具やインテリアの場合はそうはいきません。処分するのにも手間がかかりますし、椅子やソファであれば体を預けるものですから安全にも関わってきます。例えば、椅子であれば、座り、寄りかかり、時には立ち上がり(本当はダメですよ)全幅の信頼を置いて体を預けています。
①長いこと安心して頼れること
②座っていて心地よいこと
③飽きずに好きでいられること
この3つが椅子に求めるものです。これらをクリアして、価格を超える価値があると思えるものを購入するべきです。
私も前職では商品開発をしていたことがあるのでわかるのですが、企業ですから利益を最大化させるためにコストを下げようとします。部材をワンランク下げる、製造工程を簡略化するなどしてコストダウンに努めます。コストを下げるときはだいたい品質も下がっていきます。デザイナーやバイヤーや開発担当は品質を下げていないつもりでも、製造している現場では見えないところで品質を下げていることが多いのです。
まとめ
- 一番強いコーディネートは「自分流」
- 男前と北欧はコーディネートしやすい
- 安物買いの銭失いにならないように
ありがとうございました。